2015年4月10日から5月2日まで米子水鳥公園で確認されていたクロツラヘラサギが、同年6月4日から10日まで佐渡島で確認されていたことが分かりました。
このクロツラヘラサギは、日本野鳥の会鳥取県支部の支部報「銀杏羽」No.139に写真が掲載されました。この写真を見た日本野鳥の会佐渡支部の近藤さんから「同一個体ではないか」とご指摘を受け、佐渡で撮影された写真が添えられたメールをいただきました。
水鳥公園と佐渡島で撮影された写真から、くちばしの模様を比較検討した結果、同一個体で間違いないと思われます。
このクロツラヘラサギは、水鳥公園と佐渡で鮮明な写真が撮影できたことから、くちばしの細かい模様まで確認でき、個体識別の手掛かりとなりました。
クロツラヘラサギの繁殖地は朝鮮半島なので、水鳥公園から去った後、北西に移動したのだろうと思いましたが、北東に移動して佐渡島に立ち寄っていたとは驚きました。
近藤さんによると、佐渡島では6月上旬から中旬にクロツラヘラサギがしばしば確認されているそうで、日本海沿いを北上する渡りルートの存在が推察されています。
標識がついていなくても野鳥の個体識別ができた、貴重な事例です。
2015年4月23日 米子水鳥公園にて撮影。
2015年6月6日 佐渡島で近藤健一郎氏撮影。
くちばし先端右寄りの半円形の黒点に注目。その他の細かな模様も一致しています。
(きりぎりす)