近頃、園内のクロガネモチの実を食べにヒヨドリがやって来ます。クロガネモチの実はずいぶん前から実っていたのに、ついこの前まではほとんど見向きもしていませんでした。食べ物不足なのでしょうか。それとも、今が食べごろなのでしょうか。
クロガネモチの実を食べていたヒヨドリが、突然、血相を変えて逃げたかと思うと、そこにモズが飛び込んできました。ひょっとして、ヒヨドリを食べようとしたのでしょうか?モズにしては、ヒヨドリはかなり大きな獲物だと思いますが。よく見ると、モズの胸元やくちばしの付け根には血痕があります。このモズは、すでに他で一仕事終えているようです。
「チッ…。逃げられたか!」
モズの殺し屋の顔が垣間見えました。
今度は、別のクロガネモチの木にヒヨドリがやって来ました。
「この木は俺のもんだ!キェ~!」
と雄叫びをあげた直後、またもやヒヨちゃん緊急避難!
今度は、シロハラが飛び込んできました。
「ふざけんな!この木は俺のだぞ!」
実はこの木は、一週間ほど前からオスのシロハラが占有していて、他の鳥の接近を許していません。木の実の奪い合いで、ツグミにはめっぽう強い印象があるヒヨドリが、ツグミの仲間であるシロハラに負けるとは意外です。
ヒヨドリにとって、今日はとんだ厄日だったようです。
��文・写真:きりぎりす)