2020年7月24日金曜日

命のドラマを目の当たりにした一日でした

昨日、カイツブリの雛が2羽になり、
喜んでいたのもつかの間、
本日12:30頃、巣がチュウヒに襲われて、
ヒナが1羽犠牲になりました。
(写真提供:野田勝利さん)

















もう1羽のヒナの安否が心配でしたが、
巣に戻って来た親鳥の背中から顔を出しているのを
確認できてホッとしました。




自分で水面を泳いだり、親鳥の背中によじ登ったりするなど、
元気な様子。
巣に戻った後、親鳥から餌をもらって食べていました。






巣を襲ったチュウヒは、両脚にリングが付けられており、
この辺りに住み着いている常連個体と思われます。
巣の場所を覚えたはずなので、また襲ってくる可能性が高いです。

親鳥の行動から、巣にはまだ卵が残っていると思われます。
これ以上犠牲が出ないことを祈ります。


命が一つ失われた一方で、
嬉しい出来事もありました。

現在レンジャーカウンターで生体を展示中の
アリアケキイロヒラタガムシで、
飼育容器の中で幼虫が13匹孵化しているのが確認されました。
発見者は、毎日世話をしている展示立案者の高校生、K君です。

これがアリアケキイロヒラタガムシの幼虫。
成虫自体が大変希少なのに、その幼虫となると、
図鑑にも載っていない、超貴重な写真です。
いかにも肉食っぽい、どう猛な顔つきです。














大きさは約2mm。
スケールの1目盛りが0.5mmです。















これが卵のう(卵の塊を格納していたもの)。
昨日Kくんによって確認されたばかりなのですが、
まさか翌日に幼虫が現れるとはびっくり!
古い卵のうが2個あって、
つい先ほど、新たな卵のうが1個見つかりました。
また明日か明後日に新たな幼虫が孵化するかも?














そして、これが母親。
無事に幼虫が生まれてよかったね。
1個体で卵のうを3つも産んだことも驚きです。















成虫の生体展示のはずが、
自動的に幼虫の飼育も追加されることとなりました。
さて、幼虫をうまく育てることができるでしょうか。
Kくんが、自宅に持ち帰って挑戦します。

失われた命と新たに誕生した命を
目の当たりにした一日となりました。

(きりぎりす)