2023年12月7日木曜日

サービスタイムは夕方だった!

今日も朝から、サカツラガンとハイイロガンをお目当てのお客様が続々と来館され、午前中から館内が賑わっていました。

昨日のように、この2羽がネイチャーセンターに寄ってきてくれることをお客様たちは期待していましたが、その間、ウラギクの池周辺から離れませんでした。

ウラギクの池そばの岸辺を泳ぐサカツラ&ハイイロコンビ。ヘラサギとクロツラヘラサギも一緒にいました。12:04撮影。















後ろに見えている水面がウラギクの池、手前の水面が園内の大部分を占めるつばさ池です。この二つの池の間の陸地が主な居場所でした。12:18撮影。















なんとこの場所にキツネが現れました。キツネは数年に一度しか見られないレアキャラ。しかも、こんなにふさふさした冬毛のキツネは、これまで見たことがありません。カモを狙っていたようですが、空振りに終わりました。15:21MARUKOME撮影。

















幸いなことに、サカツラ&ハイイロコンビがここから離れていた時に現れたので、この2羽は襲われずに済みました。

今日はずっと冷たい南風が強く、サカツラたちがはるか遠くのマガン半島の方へ遠ざかってしまい、近くに寄ってくる気配がないので、大勢集まっておられたお客様はあきらめてお帰りになりました。

しかし、サカツラたちのサービスタイムはここから始まりました。

遠くに去ってしまったと思われたサカツラたちが、いつのまにかウラギクの池近くの水面に戻っていました。そして、桟橋の前を横切ってネイチャーセンターに向かってきました。

桟橋前を泳ぐサカツラ&ハイイロガン。15:33撮影。































そして、今日もネイチャーセンター目の前にやってきました!15:35撮影。















サカツラガンが率先してネイチャーセンター前にやってきて、ハイイロガンはそれに付き合っている感じでした。目の前の砂浜にあがってきたサカツラガン。15:36撮影。
















目の前で草を食べるサカツラ&ハイイロガン。おまけにソリハシセイタカシギの動画がこちら。16:00みとら撮影。


お腹いっぱい草を食べて池に戻ったサカツラたち。そのまま遠くへ去るかと思いましたが…。16:18撮影。















サカツラガンが引き返して再上陸。また食べ足りなかったのでしょうか。16:19撮影。















「え~、まだ食べるの~?」という感じで、水面に待機してサカツラを見つめるハイイロガン。16:20撮影。
















ネイチャーセンター目の前で夢中で草をモリモリ食べ続けるサカツラガンと、早く帰りたそうなハイイロガン。16:32撮影。















仕方ないので、しぶしぶ上陸したハイイロガン。16:34撮影。
















こんなに目の前で野生のサカツラガンとハイイロガンを室内からじっくり観察できるのは、日本でここだけではないでしょうか。夕方に入館中だったお客様は大変幸運でした。16:42撮影。
















夏にスッポンが産卵していた砂山よりも手前まであがってきたサカツラガン。こんなところまで大胆にあがってくる水鳥は、他にオオバンだけです。
ここはネコやキツネなどが時々現れるので、あまり油断していると獲られてしまいそうで心配です。17:09撮影。










結局サカツラたちは、マガンがねぐら入りした閉館間際まで目の前で採食してから、シギの入江の方へ泳いでいきました。

サカツラガンの様子を見ていると、実はネイチャーセンター目の前の草を食べたくてしょうがなかったのに、食べに来ることができなかったのかな、と感じました。熱い視線を向けていた大勢のお客様たちがお帰りになったのを見計らったかのように目の前にやってきて、暗くなるまで夢中になって草を食べ続けていたからです。
一方、ハイイロガンはもっと早く帰りたそうでしたが、サカツラガンが頑としてここから離れたがらないので、水に降りたり戻ったりを何度も繰り返しているのが印象的でした。来るときはサカツラが先導し、帰るときはハイイロが先導していました。あまりにも親密なこの2羽は、つがいなのではないかと思います。

それにしてもなぜ、サカツラはネイチャーセンター前の草にこだわっていたのでしょう?よく観察してみると、ハイイロガンは小さなヨシなどの硬そうな葉もバリバリ食べていましたが、サカツラガンは砂からチョロッと生えた、柔らかそうな小さな草の芽を好んで食べていました。他の草地は葉が硬い草ばかりなのに対して、ネイチャーセンター前にはこの美味しい草の芽が豊富だからかもしれません。

一方、お客様の注目の的がサカツラたちに移り、気楽になったように見えるソリハシセイタカシギ(アボセット)。ネイチャーセンター前がとても気に入っているようで、時々何かに驚いて遠くに飛び去っても、他のカモたちよりも早く戻ってきました。16:14撮影。

(きりぎりす)