2022年4月9日土曜日

吉田さんピンチ!

11:20頃、コハクチョウの吉田さんが、ネイチャーセンター前でコブハクチョウに襲われていると聞いて、様子を見に行きました。この春の初来園時の悪夢が頭をよぎります。

すると、意外な展開になっていました。微妙な距離で隣り合う吉田さん(左)とコブハクチョウ。どういう状況? 

11:24撮影。










11:28撮影。










池の中央からネイチャーセンター前に向かって、吉田さんがコブハクチョウに追いつめられるような形でここにやって来たようですが、泳げないほどの浅瀬に到着すると、コブハクチョウの追跡が止まりました。吉田さんは逃げたいところですが、へたに動くとコブハクチョウを刺激しそうなので動くに動けず、膠着状態になったようです。

すると、何を思ったのか、吉田さんが少しずつコブハクチョウに歩み寄っていき、さらには上陸して座り込み、眠り始めました。何と大胆な行動でしょう!

11:40撮影。










11:52撮影。












吉田さんは、コブハクチョウが落ち着いているのをみて、自分には敵意がないことを相手に示していたのかもしれません。一方、コブハクチョウは特に威嚇姿勢を取らず、羽繕いをしていました。

すると、予想外のことが起きました。コブハクチョウがもう1羽現れ、池の奥からこちらに向かって接近してきたのです。狙いは吉田さんの横にいるコブハクチョウのようです。吉田さんの横のコブハクチョウもそれに気づいて、しばらく相手の様子を見ていましたが、接近してくる相手の殺気を感じたのか、その場から逃げて園外に飛び去ってしまいました。

すると今度は、後から来たコブハクチョウの矛先が吉田さんに向けられ、最大限の威嚇姿勢で突っ込んできました。吉田さんピンチ!11:57撮影。


しかし、この個体は吉田さんに襲い掛かることはなく、先の個体よりもかなり離れた位置で立ち止まり、落ち着きました。

12:04撮影。










吉田さんはしばらく丸くなっていましたが、やがて起き上がり、ソローリ、ソローリと岸辺伝いに右へ移動し、コブハクチョウのプレッシャーからの脱出に成功しました。コブハクチョウは吉田さんを追跡せず、平穏に済みました。めでたし、めでたし。

12:48撮影。










普段、吉田さんはネイチャーセンターのそばにあまり寄ってこないのですが、今日はネイチャーセンター前の直下までよくやってきて、長時間過ごしていました。せっかくなので、吉田さんの鮮明な顔写真を撮影しました。

17:10撮影。










右の横顔。光の角度の問題かもしれませんが、両眼の上が大きく盛り上がっているのに気づきました。こんな頭のコハクチョウは見たことがありません。この盛り上がっている部位には、体液の余計な塩分を排出する塩腺があります。吉田さんは汽水湖である中海での生活が長いので、塩腺が発達したのかな?










正面気味の顔。










そして、左の横顔。








コハクチョウは、くちばしの黒い模様の形が1羽1羽異なり個性があるので、こうしてくちばしの模様を記録しておくことで、個体識別が(ある程度)できます。私どもも、吉田さんらしい個体がいたら、くちばしの模様に加えて、傷めた左翼の角が擦れて黒くなっている特徴(赤矢印)に注目して個体識別しています。
















もし皆さんが、中海周辺で吉田さんらしき飛べないコハクチョウを見かけたら、この点に注目すれば、吉田さんか否かが分かります。

(きりぎりす)