2021年4月16日金曜日

ちょっと個性的なウグイスを観察!

この春、米子水鳥公園では、園路を歩いていると、園路沿いの樹木の繁みからウグイスの囀りがよく聞こえます。あまりにも大音量なので、お客様から「音声を流しているの?」と質問されることがありますが、もちろん生声です。

今年の園内のウグイスは、ちょっと個性的な囀り方をします。一般的にウグイスといえば「ホー、ホケキョッ!」という囀りを連想されるかと思いますが、「ホー、ホーチョチョチョッ!」と囀るのです。ウグイスは、囀り始めの時期はおかしなリズムで囀り、時が経つにつれて次第に整ってくるものですが、この個体はどうやらこのリズムで囀りが仕上がっているようです。ちょっと変わっていますが、個性的で面白いので、私は気に入っています。

このように、野鳥のさえずりは、図鑑に書いてある典型的な囀り以外にも、地域によってかなり個性があるものです。人間に例えると、方言のようなものでしょうか。

このウグイスは、いつもすぐそばで囀っているのに、声がする場所をいくら探しても、不思議なくらい姿が見えません。そこで、今日こそはこの個性的な囀りの主の姿を拝もうと頑張りまして、ようやく姿を見ることができました。

鳴きながら茂みの中を縦横無尽に動き回るウグイス。鳴き声が聞こえる場所とかすかに揺れる枝葉を頼りに追跡し続け、ようやく茂みの隙間からチラリと姿が見えました。










粘った甲斐あって、ようやく鳴いている姿が観察できました!














落葉した木の枝に移って囀り始めたウグイス。

「ホ~、ホ~チョチョチョッ!」










今日のツルシギ。今年もネイチャーセンターの目の前で、ほぼ真っ黒な夏羽の姿を見せてくれました。長期滞在してくれて感謝です。しかしながら、ツルシギの夏羽への換羽は、いつも少し冬羽を残した状態で止まってしまいます。なぜでしょう?










いつもネイチャーセンターの横の芝生広場で、食べ物探しに勤しんでいるツグミが一羽います。今日は芝生広場に行ってこのツグミを間近で観察してみました。この個体はおおらかで、追い掛け回さずにじっとしていると、こちらを気にせず、かなり近くで観察させてくれます。










グミの種子を吐き出したツグミ。

美味しい果肉を提供したグミの思惑通り、種子散布に貢献しています。










コハクチョウの「吉田さん」。

予定どおり、今日は一人ぼっちの日です。いつもの場所でずっとお昼寝をしていました。今日は乱暴なコブハクチョウがやって来ず、平穏でした。






夕方になって、風上に向かって姿勢を正す吉田さん。














そして、翼を広げて助走し、飛び立とうとしました。でも飛び立つことはできません。






















吉田さんが怪我をして飛べなくなってからもう10年が経ちますが、本人にはまだ飛び立てるイメージがあるようです。近頃、このような行動が目立つようになってきており、そろそろ吉田さんが伯太川に帰る時が近いのかもしれません。せめてゴールデンウィークが終わるまで滞在してくれると、お客様に喜ばれると思うのですが、どうでしょう?

明日はコブハクチョウ「てっちゃん」が吉田さんに逢いに来る予定です。

その他の鳥情報:
Jr.レンジャーの森の中で、背中から尾羽にかけてが青灰色の小鳥を見ました。色や全体的な雰囲気はルリビタキのメスか若いオスと似ていましたが、園内ではまだ未記録の鳥です。以前もこの時期に同じ場所でオオルリのオスを見たことがあり、春のJr.レンジャーの森には意外な鳥が潜んでいる可能性があります。
また、園内でヤマガラを1羽見ました。超普通種ですが、園内初記録です。

(きりぎりす)