今年のカイツブリの子育ては、様子が変です。
ようやく池全体に水草が茂り、天候も安定し、カイツブリの抱卵が順調に行えているにもかかわらず、ふ化したヒナが次々と消えてしまうのです。
水鳥公園のこの時期の最大の見どころは、
ヒナをおんぶするカイツブリの親子の姿なのですが、
今季は全く見られません。
まるでヒナが神隠しに遭っているかのようです。
現在、ネイチャーセンターから確認できる5つの巣の様子をご紹介します。
ネイチャーセンター右手にある、最も近い巣。
卵が5個あり、ヒナのふ化も確認されたのですが、
翌日以降にはヒナの姿が消えてしまいます。
今日現在、卵が2個あります。
卵3個分の雛はどこへ消えてしまったのでしょう?
ネイチャーセンター正面やや右寄りにある、
2番目に近い巣。
こちらも5卵程度確認されて、ヒナも見られたのに、
まもなくヒナが行方不明になっているのは、上記の巣と同じです。
今日現在、この巣に卵は無いようです。
ネイチャーセンター左手奥にある巣。
距離が遠く、詳細は不明です。
ネイチャーセンター正面はるか先にある、
最も遠い巣。
詳細は不明。
水鳥観察桟橋右手の入り江にある巣。
遠い上にヨシの茂みの中で観察しづらく、詳細は不明。
これらの巣から、今度こそヒナが無事育ってくれることを期待しています。
このほかにも、カイツブリの幼鳥が1羽確認されているのですが、
園内で人知れず育ったのか、外で生まれ育ったものが入ってきたのかは不明です。
水鳥公園のカイツブリの子育てに何が起こっているのでしょう。
天敵に巣が襲われたならば、親鳥が巣を放棄すると思うのですが、
抱卵は継続しているのにヒナだけが消えてしまう、不可解な現象が相次いでいます。
園内に生息している、ヒナを捕食しそうな容疑者は、
イタチ、ヘビ、サギ類、タカ類、カメ類
あたりが思い浮かびますが、いずれも捕食の瞬間は確認されていません。
日中いっぱい観察していても、
それぞれの巣が誰かに襲われている様子はありません。
個人的には、池に多数生息しているアカミミガメが、
親鳥に気づかれないようにヒナだけを捕食しているのではないか、
と疑っています。
(きりぎりす)