2022年8月29日月曜日

シマセンニュウの渡りが本格化!

昨日行われた鳥類標識調査で、シマセンニュウが多数捕獲されました。昨年は8/20頃と9月前半の二つの渡りのピークが見られたので、今は前半のピークが来ているようです。

そこで、予定していませんでしたが本日も追加調査を行いました。

昨日と今日の調査結果をお知らせします。


2022年8月28日(日) 晴れ

・シマセンニュウ N84

・オオヨシキリ   N3

以上、2種類・87羽(すべて新規)


2022年8月29日(月) 晴れ

・シマセンニュウ N49

・オオヨシキリ   N5

・セッカ      N1

以上、3種類・55羽(全て新規)


今日の調査で捕獲された、セッカ オス・成鳥。

セッカは幼鳥ばかり捕獲されるので、成鳥は珍しいです。

繁殖期の雄は口の中が真っ黒です。











ようやくシマセンニュウの渡りが本格化してきました。

余談ですが、今朝出勤途中の4:50頃、水鳥公園のすぐそばの道端から変わった鳥がパッと飛び去るのが見えました。はっきりとは見えませんでしたが、ヨタカに似ているように思いました。もしかしたら。水鳥公園付近にヨタカも渡ってきているのかもしれません。


(きりぎりす)

2022年8月28日日曜日

スズメバチウォッチング

今日もスズメバチの様子が気になって樹液酒場に行ってみると、今日も変わらず賑わっていました。















別の個体が飛んでくると、万歳してお出迎えします。威嚇のようにも見えますが、大あごを開いていないのであまり殺気を感じません。










仲間と合流してすぐに互いのにおいを確認し、同じ巣の個体であることが分かると盛んに口移しで餌の分配を行います。つまり、ここに集まっているスズメバチは全て同じ巣の姉妹のようです。他の巣の個体がくると修羅場になりそうです。










スズメバチは個体間のコミュニケーションが面白いので見ていて飽きないのですが、最も危険な生物でもあるので、あまり堂々と観察をお勧めできません。


そこでおすすめなのが、バッタウォッチングです。

園路の脇の草が生えているところを歩くと、ピョンと飛び出してくるので、着地した場所に注目すると見つけやすいです。

草むらに見事に紛れるショウリョウバッタ。











草が生えていない場所に着地すると、姿が丸見えです。
ショウリョウバッタは体色に様々な変異があって面白いです。















丈の低い草地が好きなマダラバッタ。このバッタもカラーバリエーションが豊かです。















よく見たら脱糞中でした。
















草がまばらな裸地を好むイボバッタ。体色は褐色のみです。
















秋は鳥の観察が面白い季節ですが、バッタやカマキリ、トンボなどの昆虫ウォッチングも楽しい季節でもあります。バッタの観察は安全で簡単なので、小さなお子様にもおススメです。

(きりぎりす)

2022年8月27日土曜日

カイツブリの卵を確認!

現在確認されている唯一のカイツブリの巣に、卵が5つあるのが確認できました。このまま無事にヒナが生まれて育つことを期待しています。

11:47撮影。










朝、池の南岸に群れるサギたち。5種類の混群です。毎年夏の終わりに見られる光景です。

8:34撮影。
















近頃はカワセミの幼鳥の姿が見られるようになってきました。
11:12、臨時解説員Aさん撮影。















17:00頃、ハジロクロハラアジサシが1羽現れて西へ飛び去りました。成鳥夏羽から冬羽に換羽途中の個体でした。


話は変わって、園内の昆虫の様子です。
お盆前までカブトムシで賑わっていた園内の樹液酒場は、現在はオオスズメバチに占拠されています。恐ろし気な光景ですが、彼女たちは食事に夢中なので、刺激しなければ襲って来ません。
ただし、これから秋が深まるにつれて、スズメバチが最も殺気立つ時期となるので、巣を見つけたら絶対に刺激しないように注意しましょう。









(きりぎりす)

2022年8月26日金曜日

トウネンもやってきた!

今朝は鳥類標識調査を行いました。5:00頃にシマセンニュウ6羽とオオヨシキリ1羽が捕獲できたので、今日は幸先が良いと喜んでいたのですが、それ以後は全然捕獲できませんでした。

シマセンニュウ 性不明・成鳥。
この個体はくちばしがゆがんでいて、
嘴のかみ合わせが若干左右にずれています。
まれにこのような個体が見つかります。

























セッカ 性不明・幼鳥。
顔つきがとても幼く、巣立って間もない個体のようです。
こんなに幼い個体は初めて捕獲しました。
くちばしが短くて口角の皮膚が厚く、
目の周りの羽毛が伸びきっていません。















今日の調査結果:
・シマセンニュウ N9
・オオヨシキリ  N1
・セッカ     N1
以上、3種類・11羽(全て新規放鳥)。
シマセンニュウが本格的に渡ってくるのは
これからのようです。


500m先のマガン半島に、
アマサギの夏羽が1羽いました。
アマサギ(特に夏羽)は、
園内ではなかなか見られません。10:28撮影。















セイタカシギは今日も健在です。でも、遠すぎる!
10:43撮影。




ネイチャーセンターから右手に見える岸辺に、
トウネン12羽とソリハシシギ1羽が並んでとまっていました。
トウネンは今季初認です。10:34撮影。















トウネンたちが並んでいた岸辺の奥の草地で、
ハヤブサがシラサギ類(コサギ?)を仕留めて
食べていました。
11:49ポタちゃん撮影。















いつの間にか、シラサギを食べていたハヤブサが
トビに入れ替わっていました。
トビが獲物を横取りしたのかな?12:57撮影。
















ようやくシギの姿が見られるようになってきました。
この秋のシギの渡りのピーク
「秋のシギ祭り」は、いつになるかな?

(きりぎりす)

2022年8月25日木曜日

セイタカシギ到着!

 500m先のマガン半島にセイタカシギが1羽いました。この秋初認です。










マガン半島の先端には、いつも鳥が群れています。顔ぶれは主にカルガモとカワウ、マガモなのですが、近頃はアオサギが増えてきました。
















池の北岸の木陰に群れるカイツブリ。カイツブリが群れる風景にも秋を感じます。















ネイチャーセンター左手に、カイツブリの巣が見えます。ただし、手前のヨシ原の状況によって見えない時があります。今季はカイツブリの子育てが全く観察できていないので、この巣で子育てが見られることを期待しています。
















ネイチャーセンター正面中央のカモ島でくつろぐカルガモの幼鳥たち。風切羽が伸びて、もう飛べそうですね。でも、まだ親鳥(写真の枠外を右に泳ぎ去っている)と一緒に行動していました。















カモ島でくつろいでいたコサギが、おもむろに左翼を広げて裏側を覗き込みました。何か違和感があったのかな?

















子育てが終わり、園内に集まるようになってきたカワウ。
眼が緑色で黒光りした体の成鳥。















こちらは巣立ったばかりの幼鳥。眼が黒っぽくて体の色が淡いです。















ネイチャーセンター正面右手のシギ島で相席のダイサギとコサギ。両種とも同種の相席は許しませんが、異種との相席はOKです。自分から動いて獲物を探すコサギと、じっとしていて獲物を待ち伏せるダイサギが対照的で、見ていて面白いです。














この夏、ずっと園内で過ごしているヒドリガモ。風切羽の劣化が著しく、繁殖地へ渡る力がない個体なのかもしれません。同様な事情を抱えていそうな冬のカモ類数種も、園内で越夏しています。




近頃よく雨が降るので池の水位が高く、シギ類が降りるのに適当な浅瀬がありません。また、岸辺の草も伸び放題になっていることも、シギが降りづらい要因です。

9月から草刈りを再開します。岸辺の草を刈り払ってさっぱりしたら、シギたちが降りてきてくれるかな?


(きりぎりす)

2022年8月22日月曜日

Jr.レンジャーの紹介パネルを更新!










米子水鳥公園には、小さいころから米子水鳥公園に通い、水鳥公園でボランティア活動をしようという中高生のグループ「Jr.レンジャークラブ」があります。ネイチャーセンター入口階段の南側に、Jr.レンジャーの年間活動報告が掲示してあります。


ここには、特別に職員が作った「Jr.レンジャーの活躍」というパネルがあり、Jr.レンジャーの個別の成果を掲示しています。












今回、このパネルの2022年3月版を作りました。

新発見や、全国大会での活躍など、みんな立派に育ってくれてうれしい限りです。

これからも、ジュニアレンジャーの活躍に注目ください。

2022年8月20日土曜日

大雨の中の鳥の観察は面白い!

今日は予報どおり、午後から大雨になりました。


大雨に打たれるコサギ。










カワウたちは、丸くなって雨に耐えていました。











サギやウは羽毛の防水性能が高くないので、

雨にさらされている姿は気の毒に見えます。



一方、大雨を喜んでいるかのような鳥もいました。

大雨の中、余裕の態度で頭を掻くカルガモの幼鳥。普段汽水に漬かってばかりいるので、大雨は貴重な淡水のシャワーで気持ちがよいのかもしれません。大雨にさらされると、みんな一斉に水浴びを始めます。











オオバンもカルガモ同様に、ハイテンションで水浴びに勤しんでいました。オオバンの羽毛の防水性能もカルガモに劣らないですね。










右のオオバンは、風切羽を一斉換羽中でした。
風切羽が生え揃うまで飛べません。








雨が収まると、丸くなっていたカワウたちが頭を上げ、翼を干し始めました。
わずかな雨の止み間でも羽を干そうとするのが面白いです。





雨の中で過ごす野鳥たちを観察するのは面白いです。
悪天候でも室内から快適に水鳥を観察できる、
水鳥公園ならではの楽しみ方です。

(きりぎりす)

2022年8月19日金曜日

「中海周辺の水草展」イトクズモが発芽しました

もうすぐ会期末の 「中海周辺の水草展」です。

やっとイトクズモが、発芽しました!

画面中央の糸みたいな緑の線が見えるでしょうか?









名前のとおり、まさに"糸くず"です。

イトクズモは、27年前に米子水鳥公園で鳥取県では初めて確認された植物です。

春~初夏に繁茂することが多い水草なので会期中は無理かと思っていました。

早速、プレートを発芽したら出そうと準備していたものに交換しました。















リュウノヒゲモは、水槽の生き物たちに大人気で、貝やメダカが集まってきます。ただ、夏の終わりと会期末を前にリュウノヒゲモの様子が少し元気がなくなってきたようです。


今回の展示会は[みなもかん]さんと共催で実施しています。

シマセンニュウようやく到着!

今年はシマセンニュウの初飛来を確認しようと、いつもよりも2週間早い、7月31日から秋の鳥類標識調査を開始したのですが、これまでなかなかシマセンニュウに出会えませんでした。

そして今朝の調査で、ようやく今年初のシマセンニュウを確認できました。7月末頃から渡ってきているのではと思って調査を始めましたが、今年はかなり遅い初飛来でした。

なお、一昨年と昨年は8/15,2019年は8/14、2018年は8/13が初認日でした。


やっと確認できたシマセンニュウ性不明・成鳥。

渡りの初期には、主に成鳥が捕獲されます。











これも同じくシマセンニュウ性不明・成鳥ですが、

くちばしが太短く見えた個体。

このように、同じ種類でも個体差があります。











シマセンニュウ性不明・幼鳥。

幼鳥が1羽だけ捕獲できました。

成鳥と比べると全体的に黄色っぽいのが特徴です。











オオヨシキリも2羽捕獲できました。

いずれも今年生まれなのですが、見た目がずいぶん異なりました。1羽は巣立ったばかりの幼羽、もう1羽は幼羽から全身の羽毛が抜け替わった第1回冬羽でした。


こちらは性不明、幼鳥。

全体的に羽色が淡く、羽毛が擦り切れています。














尾羽は幅が細くてスカスカです。オオヨシキリの幼鳥の尾羽には、羽毛が伸長するのに伴って生じる成長横線という縞模様がよく見られるのですが、この個体は尾羽の先端寄りに暗色の帯状に成長横線が表れています。まるでセッカの尾羽みたいです。











一方、こちらは性不明・第1回冬羽。

虹彩は幼鳥の特徴である灰色ですが、

羽毛は成鳥と変わりません。











尾羽も幅が広くしっかりしていて、新鮮です。










このように、今年園内で巣立ったオオヨシキリは、
全身の羽毛を交換してから越冬地へと旅立ちます。


今日の調査結果:
2022年8月19日(金) 晴れ
・シマセンニュウ N9羽
・オオヨシキリ  N2羽
以上、2種類、11羽(すべて新規)。

これから11月末ごろまで調査を行う予定です。今年はどんな鳥が記録されるのか、水鳥公園の主要な渡り鳥であるシマセンニュウ、コヨシキリ、オオジュリンが最大で何羽記録されるのか、楽しみです。

(きりぎりす)

2022年8月18日木曜日

これからはトンボの季節です

お盆が過ぎて、これまでたくさんいたカブトムシが

全くいなくなりました。秋の主役と交代ですね。


秋の渡り鳥もやってきているとは思うのですが、

まだあまり目立ちません。


そこで今、面白くなってきたのがトンボです。


今イチオシのトンボがこちら。ショウジョウトンボです。

オスは体が徹底的に赤いのが特徴。

もちろん、眼も真っ赤です。

夕焼雲を飛んだから?










ショウジョウトンボはネイチャーセンターの隣にある

メダカ池にいますが、いつもいるわけではありません。

私も出会うのに苦労しました。出会うには運が必要かも。

今年の2月に開催した昆虫総選挙で

第5位に選ばれた人気者です。


もっとも有名なトンボの一つ、シオカラトンボ。

シオカラトンボの眼はきれいな水色です。

青いお空を飛んだから?











池のほとりでショウジョウトンボたちを観察していると、

足元からギンヤンマが飛び出してきました。

オスとメスが連結していて、池の中の植物に産卵中でした。

前がオス、後ろがメスです。

こうして次世代へと命をつないでいきます。

メダカ採りをしていると一緒に採れる

ギンヤンマの幼虫は、大きくてカッコいいです。










このほかにも、トンボ池にはお尻の先が青く光る

アオモンイトトンボがたくさんいます。



ちょっと移動して、水鳥桟橋から大きな池(つばさ池)を眺めていると、

水面から延びる枯れヨシにコフキトンボがとまりました。

シオカラトンボと似ていますが、ずっと小さくて眼が真っ黒です。












そして園内上空には、淡いオレンジ色のトンボがたくさん飛び交っています。これらはウスバキトンボで、南の暖かい地域から世代交代しながら北上して、山陰地方にやってきました。そして冬になると寒さで全滅し、来年の夏に再び南から飛んでいるという、片道切符なトンボです。

秋の渡り鳥が目立ってくるまで、トンボウォッチングを楽しんでみてはいかがですか?

(きりぎりす)