2021年5月30日日曜日

今のおすすめはクロハラアジサシ!

昨日、久しぶりに現れたセイタカシギ2羽は、期待どおり今日も姿を見せてくれました。しかし落ち着きがなく、園内をウロウロと飛びまわってばかりいたのですが、最終的に500m先の半島の岸辺に落ち着きました。昨日よりも遠くなってしまいました。










これまた昨日から姿を見せているハジロクロハラアジサシ第1回夏羽は、今日も健在です。あいかわらず300~500m先にばかりいましたが、一時はネイチャーセンター正面左手の5本杭にとまってくれました。ハジロクロハラアジサシの特徴である目の後ろの黒斑がよく見えました。










朝はハジロクロハラアジサシ1羽だけでしたが、徐々にクロハラアジサシ夏羽も合流し、夕方にはクロハラアジサシ夏羽3羽とハジロクロハラアジサシ1羽になりました。さらに閉館後には、新たに腹が白い個体が1羽出現。クロハラアジサシの第1回夏羽でした。

左がクロハラアジサシ夏羽、右が新入りのクロハラアジサシ第1回夏羽。















クロハラアジサシは近頃安定して現れているので、今最もオススメの鳥です。そして、より珍しいハジロクロハラアジサシも一緒に見られたら最高です。

さらに朗報です。

本日、ヒナ8羽を連れたカルガモの親子が確認されました。今後もかわいい姿を見せてくれたらいいですね。


(きりぎりす)

2021年5月29日土曜日

久しぶりのセイタカシギ

 久しぶりにセイタカシギがやってきました。近年、春になるとネイチャーセンター前浜にセイタカシギが数羽いるのが当たり前でしたが、今年はなかなか現れませんでした。


















セイタカシギは朝から一日中いましたが、ネイチャーセンタ―左手のヨシ原の縁にばかりいました。明日は目の前に来てくれるといいですね(明日も居てくれることが前提の話ですが)。


今日もクロハラアジサシが池の上を飛び交っていましたが、その中に一回り小さくて白っぽい個体が1羽混じっていました。300m以上先にばかりいたので詳しく姿を観察できませんでしたが、ハジロクロハラアジサシの幼鳥と思われます。まだ春の中盤なのに、もう幼鳥が飛来するとは驚きです。→第1回夏羽に訂正します。










クロハラアジサシは、今日も時々ネイチャーセンターの目の前を飛び交ってくれました。今日は4羽現れました。


















カラスのせいで子育てを中断しているカイツブリたち。この番いはネイチャーセンター目の前の丸木柵に水草を運んでいましたが、本気でここに巣を作るつもりはなさそうです。










今日特に面白かったのが、カルガモが数羽の群れを作ってグワグワ鳴いていたことでした。群れているのはすべてオスで、メスに子育てを託した気軽なオス親集団なのかもしれません。オス同士で何を話していたのか気になります。












一方、こちらはネイチャーセンターの前で仲睦まじく採食していたカルガモのペア。メスが水中に首を突っ込んでいる時に、オスがメスの体にくちばしで優しく触れる行動を繰り返していました。愛情表現の一つなのでしょうか。
採食中のメスの体にくちばしでやさしく触れるオス(右)。





今日も園内上空をツバメが飛び交っていました。天気が良かったので数は少なかったのですが、ショウドウツバメやコシアカツバメも混じっていました。
ネイチャーセンター目の前を時々横切っていたショウドウツバメ。2羽一緒に飛んでいましたが、小さくて素早い上に、近すぎて写真に収めるのは困難でした。





近頃、園内を飛ぶツバメの群れに幼鳥が混じるようになってきました。もう1回目の繁殖で生まれたヒナが巣立っています。
夕方にネイチャーセンターの窓際にとまった幼鳥。これからはツバメの親子の観察が楽しい時期になります。今年の水鳥公園だより6月号のオススメの鳥は「ツバメの幼鳥」です。









(きりぎりす)

2021年5月28日金曜日

草刈りを始めました

いよいよ今年も草刈りシーズンとなりました。

野鳥保護区内に生い茂った草を刈り払い、水鳥が天敵を見張りやすい見晴らしの良い岸辺を整備します。これから7月まで、毎週木曜日の夕方に作業を行う予定です。

まずはレンタルした乗用草刈り機で、園内の平坦地の草を一掃します。(5/27撮影)










その後、乗用草刈り機では刈れない水際を、職員がエンジン刈払機で仕上げます。

草刈り後のネイチャーセンター前浜(5/27撮影)
















草刈り後の園内南側風景(5/28撮影)











草刈り後のネイチャーセンターから500m先の半島(5/28撮影)












半島の手前の杭には、クロハラアジサシが2羽とまっていました(5/28撮影)
















春の渡りがほぼ落ち着いたのか、急に園内の鳥が少なくなりました。カルガモの親子は5月24日を最後に姿が見えません。カイツブリも現在稼働中の巣はありません。

この時期のアイドルが不在の中、クロハラアジサシがネイチャーセンター目の前を飛び交って楽しませてくれます。目の前をゆっくりと飛ぶので肉眼でも十分観察でき、望遠鏡を上手く扱えない園児さんたちに喜ばれていました。
今日は3羽いましたが、新たなカルガモ親子が現れるまでの間、お客様を楽しませてくれると嬉しいです。(5/28撮影)















(きりぎりす)

2021年5月23日日曜日

夏を感じる陽気でした

今日は朝からお天気が良く、夏を感じる陽気でした。

園内を巡視したところ、もうアキニレの樹液に虫が集まっていました。まさに夏を感じる光景です。ここで驚いたのが、樹液にハナムグリがいたことです(写真上から2匹目と3匹目)。シロテンハナムグリ(その他3匹)は樹液の常連ですが、ハナムグリは花にばかり集まるものだと思っていたので勉強になりました。ハナムグリが意外と強気で、体格に勝るシロテンハナムグリを頭でしゃくりあげて蹴散らし、樹液の特等席を乗っ取っていたのが面白かったです。


池の上では、今年初めてオオヤマトンボを確認しました。これも夏の風景です。オニヤンマとそっくりですが、オニヤンマは池の上を巡回して飛びません。池の上をぐるぐると飛び回るオニヤンマ風の大きなトンボがいたら、オオヤマトンボの可能性大です。










今最注目のカルガモの親子は、今朝はヒナが1羽だけになっていました。この親子が20日に確認されたヒナ6羽の親子だと仮定すると、初日と二日目はヒナ6羽、3日目にヒナが5羽から2羽に減り、4日目の今日はヒナ1羽になっています。こんなに急速にヒナが減っていくのは珍しいです。それでもヒナは危機意識が低く、親鳥から遠く離れて泳ぎ回っていたので、今にも天敵にさらわれてしまいそうで心配でした。










近頃、オオタカの成鳥がよく現れます。カルガモのヒナを襲っている容疑者の一人です。170mくらいの距離から撮影したのですが、オオタカはこちらを見ていたので、写真を撮られていることに気づいていたのでしょう。さすが猛禽類、素晴らしい視力ですね。
















こちらも近頃よくやってくるコブハクチョウ。この個体は「てっちゃん」ではありません。
てっちゃんと比べると羽毛がほとんど汚れておらず、額のコブが小さめで嘴の色の鮮やかさに欠けるので、若い成鳥のようです。いつも1羽で行動しており、飛来してもすぐに立ち去ります。デコイと遊ぶこともありません。


ネイチャーセンター正面右手の小島に、キアシシギが1羽いました(写真左奥)。今季初認です。アオアシシギも一緒にいました。キアシ、アオアシとくれば、アカアシシギもいると面白いのですが、この3種が一緒にいるのは見たことがありません。















今日は朝から夕方まで、アオアシシギの声がよく聞こえました。賑やかに鳴きながら池の上空を飛び回り、また前浜右手の小島に戻ってくることを何度も繰り返していました。そろそろ渡り途中の休憩が終わって、次の目的地への旅立ちに備えて興奮していたのかな?
















今日もクロハラアジサシは3羽現れましたが、いつもどおり、はるか遠くにいました。池の上を飛び回って採食していて、300m先に立っている3本の杭に時々とまって休憩していました。この写真では中央の杭にカルガモがとまっています。















午後に、クロハラアジサシとオグロシギを観に常連さんが来館されました。クロハラアジサシが近くにやってくることを期待して待っていると、その期待に応えて、クロハラアジサシがネイチャーセンター前に時々飛んできてくれました。
3羽のうち、この個体は普通の個体よりも色が濃く、胴体が真っ黒で印象的でした。




















もう一つのお目当てのオグロシギはこれまで確認できていなかったのですが、17:00ごろに3羽飛来してきて、前浜右手の小島に舞い降りました。これで常連さんの来園目的が達成されてよかったです。

(きりぎりす)

2021年5月22日土曜日

今年はオグロシギがよく現れます

この春は、オグロシギがいつもよりもよく現れます。19日には12羽の群れがやってきましたが、今日は13羽の群れが13:30 頃に現れました。

しかし、着陸したのは500m先です。遠すぎるので、ネイチャーセンター前浜にやってこないかな、と期待していたところ、500m先の半島に群れていた鳥たちが一斉に飛び立ちました。何か猛禽類が現れたようです。

そして、しばらく半島付近を飛び回っていたオグロシギたちが、こちらに向かって飛んできました。
















14:30頃、期待どおり、ネイチャーセンター正面右手の島に舞い降りてきました。オグロシギ13羽、ソリハシシギ1羽、ハマシギ1羽の混群で、後にアオアシシギ4羽も合流しました。








15:45に、ネイチャーセンター前浜左手からカルガモの親子も現れました。しかし、連れているヒナは2羽しかいません。昨日までは6羽いたのに、今朝は5羽になり、そして今は2羽です。同じ親子かどうかは不明ですが、心配な状況です。










この親子はとても呑気で、ヒナは母親から遠く離れて自由気ままに泳ぎ回っていました。ネイチャーセンター真下の水際にもやってきました。



















すると突然、オグロシギたちが一斉に飛び立ちました。前浜のカルガモの親子を狙って、トビ2羽とハシブトガラス2羽が次々と襲ってきたのです。










母親から遠く離れていたヒナたちは、急降下してくるトビから潜水して逃げていました。

ハシブトガラスも、親子が泳ぐすぐ近くの杭にとまり、様子を伺っていました。










どうにかヒナたちは母親と合流し、トビたちから逃れることができましたが、観察している我々はハラハラしながら見守っていましたが、ヒナがさらわれずに済んでホッとしました。この様子から想像すると、やはりこの親子は今朝ヒナが5羽いた親子で、その後このように襲われてヒナを奪われてしまったのかもしれません。










そのほかの鳥の様子。

クロハラアジサシが3羽、はるか300~600m先を飛び交っていました。今日はほとんど前浜にやってきてくれませんでした。










先日、カラスに巣を襲われたカイツブリたちは、子育てを最初からやり直しています。新たに巣を作るにあたって、縄張り争いも起きています。

縄張りの主から追い払われたカイツブリ。カイツブリが飛んでいる姿なかなか見られません。










普段はヨシ原の縁をコソコソと泳いでいるバンですが、今日は開けた水面をよく泳いでいました。
















泳いでいたバンの目の前に、突然キンクロハジロが浮上してきて鉢合わせになりました。お互いにびっくりしていました。





夕方、池の上を飛び交っていたツバメの中に、ショウドウツバメも混じっていました。
背中が灰褐色で尾羽が短く、胸元に横帯模様があるのが特徴です。






明日も天気がよさそうですが、どんな鳥が現れるのか楽しみです。

(きりぎりす)

2021年5月20日木曜日

カルガモ親子初泳ぎ!

開館直後の9:10頃、ネイチャーセンターから望遠鏡で園内の鳥の様子を確認していたところ、約300m先の池の中央をカルガモの親子が泳いでいました。今季初確認です。2000年以降では2番目に早い初認でした。


池の北岸から南岸を目指して大急ぎで縦断中の親子。親子が茂みから茂みへと移動する際に、ヒナが丸見えになって天敵に狙われやすくなってしまうので、母親は目指す茂みまでの移動を急ぎます。全速力で泳ぐお母さんの後を、6羽のヒナたちは置いて行かれないように懸命に追っていました。










距離が遠かったので、報道発表のためより鮮明な写真を撮ろうと、保護区内の奥に行って頑張りましたが、チャンスに恵まれませんでした。

その代わりに目に留まったのがハジロカイツブリの夏羽です。冬鳥なので、この時期に見られるのは珍しいです。










ネイチャーセンターに戻ると、何と2組目の親子が11:30頃にネイチャーセンターの目の前に現れたと聞き、しばらく待っていると、ネイチャーセンターの前を北から南へと横切っていきました。この時に、ようやく報道資料として提供できる写真が撮れました。偶然にも、2組目の親子もヒナが6羽でした。










これまで、なぜか月曜日にだけ現れていたシマアジが、昨日と今日も姿を見せてくれました。月曜日が非番の私にとって、今日が初認でした。











雨の中でも賑やかに囀っているオオヨシキリ。脚が濡れるのがいやなのか、片脚で枝にとまっています。











体の雨滴を振り飛ばすオオヨシキリ。こんなに激しく動いているのに、バランスを崩さずに片脚だけで枝にとまれるとは、すごい握力ですね。実際に、調査で捕獲した時にこの脚で掴まれると、かなり痛いです。










いよいよカルガモの親子の観察シーズンとなりました。今日はまだ2組だけですが、今後次々と新たな親子が現れ、毎年15組以上が確認されます。6月になると親子の数が増えるので観察しやすくなります。ヒナは成長が早く、生後約100日で飛べるようになります。できるだけ幼くてかわいいヒナを観察するには、早めの時期のご来園がおすすめです。

(きりぎりす)