2016年10月31日月曜日

クロツラヘラサギの捕獲に成功!

昨日、黒く汚れて口からテグスが絡んだ状態で発見された
クロツラヘラサギは、今朝は昨日の第1発見場所にいました。

そこで再度、県の担当者と連絡をとり、
捕獲を試みて捕獲ができたら動物病院へ収容することになりました。

クロツラヘラサギに近づいてみると、
左の翼を傷めていて飛べないことが分かりました。

飛べなければ捕獲できるので、
駆け寄って網をかぶせ、無事捕獲に成功しました。






























実際に捕獲してみると、
遠くから観察した時の印象とは大きく異なることが分かりました。

テグスを飲み込んでいるのでは?
→実際にはくちばしの先端に糸が軽く絡まっているだけで、
仕掛けを飲み込んでおらず、釣り針も刺さっていなかった。

油まみれになっているのでは?
→ただ濡れて汚れているだけで、油汚染ではなかった。

左翼に何か絡んでいる?
→何も絡まっていないが、
ひじから手首の間から出血しており、
皮下出血をおこしてブヨブヨした楕円形の血豆ができていた。

実際に確認できるまで、思い込みは禁物ですね。


素人目にみて、予想よりも状態がよく、少し安心しました。
体力もありそうなので、左翼が骨折していなければ、
治療後に野生に戻せそうな気がします。

しかし、左翼の怪我の具合がよく分からないので、
もう飛ぶことはできない可能性もあります。

捕獲して観察してみると、顔は成鳥そのものでしたが、
風切羽の先端にわずかに黒い部分があり、
一昨日まで元気だった個体と同じくらいの年齢でした。
つまり、同一個体の可能性が高いです。
















県の担当者の車に収容されたクロツラヘラサギ。
あとは、動物病院さんにお任せして、怪我の回復を祈りましょう。

















くちばしの先端に絡んでいた釣りの仕掛け。
幸い、ルアーの針はすべて脱落しており、
テグスの中央の糸が団子状に絡んでいる中に
3本のフックがついた釣り針がありました。
うち2本の針先は折れていて、
残る1本も針先が鈍くなっていました。
クロツラヘラサギの体に刺さっていなくて良かったです。

水辺にテグスやルアーが散乱していたら、ぜひ回収しましょう。
そうすれば、このような可哀想な事故を減らすことができます。


というわけで、現在、水鳥公園のヘラサギ類は、

ヘラサギ → 昨日の午後から行方不明
クロツラヘラサギ → 入院

という状況になりました。
せっかくの2大スターが不在となってしまい、とても残念です。

クロツラヘラサギの回復を祈りつつ、
ヘラサギが帰って来るのを期待しましょう。

(きりぎりす)