ネイチャーセンター前の浅瀬を泳ぐカイツブリの傍らに、
今にも沈んでしまいそうなヒナが1羽いました。
親鳥はヒナに寄り添って、
じっとヒナが背中によじ登ってくるのを待っていますが、
ヒナにはそれだけの体力がないように見えます。
しかし、親鳥はヒナを助けようとはせず、
じっと見守っています。
親鳥の背中に自力でよじ登ることができない子は、
この先生き延びる力がない、とみなされるのでしょうか。
親鳥がわが子に与えている試練のようにも見えます。
カイツブリの親鳥は、よくヒナをおんぶして泳いではいますが、
親鳥がヒナを積極的に背負っているのは見た事がありません。
常にヒナが自力でよじ登っています。
そして、ヒナがある程度成長すると、
ヒナが背中に登ろうとするのを親鳥が拒否します。
親鳥は、ヒナが小さいうちは背中に乗ることを黙認していますが、
大きくなったヒナが乗ることは許さない、という感じです。
人間から見ると非情に見えてしまいますが、
これが野鳥たちが生きている世界なのでしょう。
この後、このヒナがどうなったのかは分かりません。
無事に親鳥の背中に登ることができたか、
または巣に戻って休憩できていることを祈ります。
(きりぎりす)