2020年9月2日水曜日

巣が漂流してご近所トラブル!

現在、ネイチャーセンターから
カイツブリの巣が4か所観察できます。
うち3か所が抱卵中です。
そのうちの1か所は、近頃の風で流されて、
正面に見える小島の陰に
隠れてしまっていたのですが、
今日見てみると、
島の左端から手前に漂流していました。
そのため、巣がよく見えるようになりました。















小島を中心に、反時計回りで半周ほど
巣が漂流したことになります。
それでも巣はしっかりしていて、
少なくとも3個は卵が見えました。
















漂流していても、親鳥は変わらず
巣のお手入れと抱卵を続行しています。

すると突然、卵を抱こうとした親鳥に、
別のカイツブリが体当たりしてきました。
攻撃を受けた親鳥は、
びっくりして巣から離れました。
















どうやら、漂流した巣が、
他のカイツブリの縄張り内に
侵入してしまったようです。

するとすかさず、
写真右上から、攻撃を受けた個体のつがい相手が
加勢に駆け寄ってきました。
左が攻撃した個体、右手前が攻撃を受けた個体です。
















2対1で、互いにけん制しながら
睨み合いが続きましたが、
やがて攻撃してきた個体が去っていきました。
















やれやれ、と抱卵を再開する親鳥。
前途多難ですね。

















それにしても、巣が他の個体の縄張り内に
漂流してしまうとは、
思いもよらないトラブルでした。
今後も、縄張りの主から攻撃を受けることが
ありそうなので心配です。

もうひとつ心配なのは、
現在接近中の二つの台風です。
カイツブリの子育ての失敗原因の多くは、
悪天候による巣の崩壊や沈没です。
漂流してしまった巣は、
台風の雨風に耐えられないでしょう。

どうにか持ちこたえてくれることを祈ります。

追記:
この巣は翌日にはネイチャーセンター前左手の
水際まで漂流して、
やがて消滅してしまいました。
杭の列の中にあった巣も消滅し、
抱卵を続けているのは1か所だけです。

(きりぎりす)