とても悲しいお知らせです。
2014年以降、ほぼ毎年春に米子水鳥公園に安来から徒歩で通ってきてくれていた、コハクチョウの吉田さんが死んでいるのが本日確認されました。
安来で吉田さんがいつも過ごしている場所のそばを、通勤時に通りかかる常連のAさんが、6月20日に吉田さん(らしき鳥)の様子がおかしいことに気づき、22日の夕方に「吉田さんが死んでいるかもしれない」と連絡してくださいました。その時点では、白い大きな鳥が死んでいるのは間違いないが、吉田さんかどうかは分からない、ということでした。
そこで、職員みとらが22日の夕方に現地に行って確認したところ、吉田さんであることが確認できました。
Aさんによると、6月19日までは生きていたということで、それから20日までの間に死んだと思われます。死体はすでにかなり食べられており、何者かに捕食されたのか、力尽きて死んだ後でトビやカラスなどに食べられたのか、死因は不明です。
吉田さんは、2011年の冬に安来市内で事故に遭って左翼を傷めて飛べなくなり、2012年の夏に安来の吉田川にいるのが確認されていた個体と思われます(これが愛称の由来です)。それ以降、飛べない状態で10年以上もよく生き延びていたものです。その生命力には驚かされました。コハクチョウは3年目(満2歳)で成鳥となりますが、吉田さんは2011年の時点で成鳥だったので、2023年で15歳以上だったことは確実です。
そして、3月下旬に仲間が全て北へ旅立ったのを見届けてから、徒歩で安来から米子水鳥公園に毎年通って約1ヶ月半の間滞在したり、異種であるコブハクチョウとつがい形成するなど、様々な興味深い行動を私たちに見せてくれて、吉田さんは多くの方々に親しまれていました。来年の春に、また元気にやってきてくれることを期待していたのですが、とても残念です。
毎年春になると、ヘラサギの香川さんがやってきて、その後にコハクチョウの吉田さんがやってくるのが楽しみでした。その楽しみが一つ減ってしまいました。
みとらが形見として回収した、吉田さんの羽毛。
(きりぎりす)