昨日14時ごろ、園内の様子を見回っていてメダカ池の横の園路を歩いていたところ、頭上を滑空するチョウが目にとまりました。大きさや飛び方から、ゴマダラチョウかな?と思ったのですが、翅の上面に大きな4つの白斑がはっきり見えました。リュウキュウムラサキのオスでした。
主に南西諸島で見られる南国のチョウで、鳥取県西部では初記録と思われます。
あわててカメラと捕虫網を取りに行き、現場に戻ると、園路沿いの樹木の葉先にじっととまっていました。証拠写真が捕れました!
翅の表が美しいチョウなのですが、高いところにばかりとまり、翅を閉じてばかりいたので、翅を開いた姿は撮影できませんでした。残念。
複眼が市松模様なのが面白いです。脚が4本しか見えませんが、前脚がきれいに折りたたまれて見えないだけで、ちゃんと6本あります。タテハチョウによく見られるとまり方です。
証拠写真が撮れたので、今度は標本に残すために採集に挑戦。しかし、微妙に網が届かない高さにとまっています。
やがて飛び立ち、ゆったりと滑空を交えながら園路上を飛びましたが、これまた微妙に網が届かない高さでした。園路の奥まで網を構えて追いかけましたが、振り切られてしまいました。とても暑い中だったので、サウナに入ったかのように汗だくになりました。
しかし、この個体はメダカ池の横の園路沿いが気に入っていたらしく、その付近を飛び回っては樹木の葉先にとまることを繰り返していました。しばらくしたら、また第1発見の場所に戻ってくるかもしれない、と思いました。
そこで、15時ごろに再度園路を歩いて探してみると、期待どおり、第一発見の場所でじっととまっていました。そして、捕獲に成功しました。
捕まえたリュウキュウムラサキを白い紙の上を歩かせたところ、時々翅を開いてくれました。写真では地味に写ってしまいましたが、実際に見ると黒い地色には藍色の光沢があり、後翅の白斑が青色を帯びていて美しいです。
現在、ネイチャーセンターは改修工事中で、窓の外は足場に囲まれ、鳥はとても少なく、野鳥観察には厳しい状態なのですが、屋外を歩くと様々な昆虫がいて楽しいです。そしてこんな素敵な出会いにも恵まれました。鳥がいない時期は、鳥以外の生き物観察も楽しめるのが、米子水鳥公園のいいところです。
ところで、なぜ南西諸島のチョウが米子に現れたのでしょう?
先日の大雨をもたらした低気圧に乗って、南方から飛ばされて来たのかな?
もしかしたら、この個体のほかにも山陰地方に迷入しているリュウキュウムラサキがいるかもしれませんね。
(きりぎりす)