2022年5月1日日曜日

今日はセイタカシギの日(恋愛成就編)

一日中ネイチャーセンターの正面で過ごしていたセイタカシギの中に、気になる個体が1羽いました。

他の個体が活発に歩き回って採食している中で、頭を低く下げてじっとしているメス。そして、この姿勢を維持したまま、時々向きを変えていました。何をしているのでしょう?










よく観察してみると、このメスは暴れん坊の白頭オスが近くにいるときにこの姿勢を取っていました。これは、他種の鳥のメスがつがい相手に交尾を促す行動とよく似ています。そして、時々向きを変えていたのは、白頭オスの動きを追っていたためです。もしかしてこのメスは、白頭オスに求愛しているのかな?










その一方で、白頭オスは全くこのメスに関心を示さず、採食とケンカに明け暮れていました。それでもこのメスは、何度もこの姿勢を取り、白頭オスを待ち続けました。白頭オスのつれない態度に、このメスが不憫に思えました。


















ところが、14:09に白頭オスに変化が見られました。頭を下げ続けるメスに歩み寄ったのです。





頭を下げるメスの横に寄り添い、くちばしで水面をバチャバチャさせる白頭オス。

















そしてついに、白頭オスがメスの思いに応えました。
























白頭オスは交尾の後もメスの傍らに寄り添い、メスと顔を寄せ合いくちばしを交差させて、しばらくじっとしていました。












セイタカシギの求愛行動や交尾を観察したのは初めてです。カモ類の交尾と同様、一連の行動がルーティーンになっていましたが、カモ類の交尾のルーティーンは見ていてコミカルなのに対して、セイタカシギの交尾のルーティーンはとてもロマンチックでした。

交尾終了後、他の個体が5羽飛んできて、この2羽のすぐそばにまとめて着水しました。まるで、この2羽を祝福しに集まってきたように見えて、面白かったです。


その後、交尾は不完全だったものも含め3回観察できました。明日以降も仲睦まじい様子が観察できたらいいですね。

(きりぎりす)