今週に入ってから、急に鳥の数が少なくなりました。これまで園内に群れていた鳥たちが、繁殖地に向けて旅立ったのでしょう。毎年6月は一年で最も鳥が少ない時期となります。
鳥はかなり少なくなりましたが、全くいなくなるわけではありません。少ないながらも今の時期に見られる鳥の例として、今日の鳥をご紹介します。
コチドリのペア。草が生えていない水辺がお好みです。
賑やかに囀りながら飛んでいるヒバリ。草地に降りていることもあります。
今が旬なチュウサギ。首を長く伸ばしているとダイサギと紛らわしいですが、くちばしが短いので顔つきが異なります。
ネイチャーセンター正面右手の小島でくつろぐカルガモのペア。ヒナを連れた姿が見られるようになると、鳥が少ない時期でもお客さまに喜ばれるので、親子の登場が待ち遠しいです。
閲覧注意!この後にヘビが登場します。
カルガモのペアの隣に目を移すと、冬の居残りであるホシハジロが座っていました。この時、ホシハジロの背景に意外なものが映り込んでしまったのですが、お判りいただけましたでしょうか。
何と、座っているホシハジロの背後に、アオダイショウが這っていたのです。
ホシハジロの左横を拡大。石の隙間にアオダイショウの顔が写っていました。
この後アオダイショウは、水面に降りてこちらに向かって泳いできました。
あっという間に目の前の岸に上陸。驚くほど泳ぎが速いです。
頭を上げて辺りをうかがうアオダイショウ。やがて草むらの中に潜っていきました。
アオダイショウは、子育て中の野鳥にとって、カラスと並んで最も厄介な天敵です。空以外はどこにでも行けるので、卵やヒナの逃げ場所がないのです。ご覧のとおり泳ぎも得意なので、水に囲まれた島や水面に作られた巣にも難なくたどり着けます。
私が最初に観察していたカルガモのペアのオス(手前)が、観察中にふと左(カルガモから見ると右)に目を向けたのですが、これはアオダイショウの存在に気づいたからだったのですね。それにしても、カモたちはアオダイショウがこんなに近くにいても驚かず、逃げませんでした。自分が襲われないことを確信しているようでした。
さて、話がヘビにそれてしまったので、今の鳥について話題を戻します。
カイツブリとオオバン。カイツブリは早く巣を作りたくて仕方がないようですが、巣の材料となる水草がまだ伸びていないので水草待ち状態です。
一方、オオバンは冬鳥ですが、近年は夏でもいることが珍しくなくなってきました。以前、抱卵までしたことがあるので、また繁殖行動が見られないか、注目しています。
今月上旬まで池の奥に群れていたスズガモは、すっかり少なくなりました。