2022年5月19日木曜日

この時期に見られる鳥20220519

今週に入ってから、急に鳥の数が少なくなりました。これまで園内に群れていた鳥たちが、繁殖地に向けて旅立ったのでしょう。毎年6月は一年で最も鳥が少ない時期となります。

鳥はかなり少なくなりましたが、全くいなくなるわけではありません。少ないながらも今の時期に見られる鳥の例として、今日の鳥をご紹介します。

コチドリのペア。草が生えていない水辺がお好みです。










賑やかに囀りながら飛んでいるヒバリ。草地に降りていることもあります。










今が旬なチュウサギ。首を長く伸ばしているとダイサギと紛らわしいですが、くちばしが短いので顔つきが異なります。










ネイチャーセンター正面右手の小島でくつろぐカルガモのペア。ヒナを連れた姿が見られるようになると、鳥が少ない時期でもお客さまに喜ばれるので、親子の登場が待ち遠しいです。











閲覧注意!この後にヘビが登場します。


カルガモのペアの隣に目を移すと、冬の居残りであるホシハジロが座っていました。この時、ホシハジロの背景に意外なものが映り込んでしまったのですが、お判りいただけましたでしょうか。












何と、座っているホシハジロの背後に、アオダイショウが這っていたのです。















ホシハジロの左横を拡大。石の隙間にアオダイショウの顔が写っていました。
















この後アオダイショウは、水面に降りてこちらに向かって泳いできました。




























あっという間に目の前の岸に上陸。驚くほど泳ぎが速いです。
















頭を上げて辺りをうかがうアオダイショウ。やがて草むらの中に潜っていきました。















アオダイショウは、子育て中の野鳥にとって、カラスと並んで最も厄介な天敵です。空以外はどこにでも行けるので、卵やヒナの逃げ場所がないのです。ご覧のとおり泳ぎも得意なので、水に囲まれた島や水面に作られた巣にも難なくたどり着けます。

私が最初に観察していたカルガモのペアのオス(手前)が、観察中にふと左(カルガモから見ると右)に目を向けたのですが、これはアオダイショウの存在に気づいたからだったのですね。それにしても、カモたちはアオダイショウがこんなに近くにいても驚かず、逃げませんでした。自分が襲われないことを確信しているようでした。

















さて、話がヘビにそれてしまったので、今の鳥について話題を戻します。


カイツブリとオオバン。カイツブリは早く巣を作りたくて仕方がないようですが、巣の材料となる水草がまだ伸びていないので水草待ち状態です。
一方、オオバンは冬鳥ですが、近年は夏でもいることが珍しくなくなってきました。以前、抱卵までしたことがあるので、また繁殖行動が見られないか、注目しています。















今月上旬まで池の奥に群れていたスズガモは、すっかり少なくなりました。














冬はカモ類が主役ですが、夏はサギ類が目立ちます。背中の飾り羽が美しいダイサギ。先に紹介したチュウサギよりも首と嘴が長いです。





サギ類は、子育てが終わると(7~8月頃)園内に集まってきて賑わいます。また、冬にはあまり見られなかったゴイサギが比較的よく現れます。

初夏は、一見、鳥が全くいないように見える日もありますが、解説スタッフがその時に見られる鳥を探してご紹介いたします。また、カルガモの親子が見られるのはこの時期だけです。昨年は5月20日にカルガモの親子が初めて確認されました。さて、今年はいつになるでしょう?

(きりぎりす)